リピート・アゲイン


 コードを確認しながらギターの指をチェックする。嘗ておじさんに貰った時は指が届かなかったが、今ではもう指を押さえることが出来る。
 ららら、ららら。ららららら。

「何してるの」
「うおぁ?! びっくりした!」

 音も立てずは音也の前に現れると慌てて音也は立ち上がった。何事かと思ったとピックを机の上に置き、ふう、とため息をひとつ。楽譜に書かれたおんぷくんの噴出しに「1」の文字。

「……ゆず?」
「だああ待って待って!」
「何歌ってるかと思ったら」

 フォークデュオの名曲を歌っていた音也の楽譜をぱらぱらとめくり、は目を通すとわずかに口ずさむ。
 それに合わせて、だんだん音屋がギターを掻き鳴らす。合わせて歌っていたものをが目を細め、手拍子を打つと音也が歌い始める。
 主旋律とコーラスが入れ替わり、彼女が音也の半音高い音でララララ、と歌い続ける。


「何?」
「俺次、オリビアを聴きながらがいいな」

 唐突すぎるリクエストには目を丸くし、次に楽しそうに頷いた。幻の恋。ララララララ、ララララ。
 何度も何度もラブソングを歌う。少し懐かしいラブソング。けれどそれが愛しかった。

「音也ってちょっと古い曲が好きだよね」
「最近のも好きだけど、孤児院でよく歌ってたからさ」
「ふーん」

 ララララ、ララララ。声に合わせては手をたたき、音也は歌いながらギターを奏でる。

 そんな、日常。


ゆず「アゲイン」