求め続けたニンナ・ナンナ


夜の帳が下りた時、ゆらゆらと揺れる灯に彼女は来客者が来たことを知らせる。
風の音が窓を叩くので、カーテンで閉め、本を栞を挟むと扉を開けた。
……大柄の男が、そこにはたっており、ちょうど扉を叩こうとしていたらしく拳をあげていた。

幾分年の離れた兄替わり、下手をすると父代わりのダンテの姿に自然との気配も柔らかい物に変わる。
何かにつけて、彼は諜報部であるリベルタや自分に気を使ってくれる。

「――どうしたの?」
「ルカが先程リモーネパイを作ったらしくてな、リベルタが呼びに来たと思ったんだが」
「え?……ああ、そういえば」

呼んでいた、ような。
曖昧すぎる彼女の返答にダンテは彼女の頭をわしわしと撫でた。

「なんだ、寝るには早過ぎないか?」
「ああ、うん、もうちょっと本を読んでようかなって」

でも、と言いかけ扉の前に出るとダンテは少し予想外の行動だったのだろう、目を見張ってこちらを見据える。

「一切しか残ってないの?」
「ん?いや、俺たちはを待ってたからな」

まだ食べていない。
小さく笑ったダンテには肩をすくめた。彼はどうにもこうにも、お人好しの傾向が少しばかりあるようだ。それは彼と共にあるリベルタにも強く影響を与えている。
扉を大きく開けると、風がまだ強いのか彼女の髪を何度も巻き上げようとする。前髪がかかって思わず目を閉ざすと、彼女の隣を音もなくダンテが覆った。
……思わず、口元が緩むのを彼女は感じる。
彼は、おそらくはこのファミリーにいる誰よりも紳士なのだろう。


「ニンナ・ナンナみたいね、ダンテって」
「なんだ、寝るつもりだったのか」
「まぁね」

寝る前に甘いものを食べると太るぞ。言った瞬間に、彼女の右拳がダンテの左手に収まった。

発売まで後3日
ニンナ・ナンナは伊語で「子守唄」


発売まで後7日