変拍子に揺れる恋

!」

彼女の帰還に喜び駆け寄ってきた少年に、は思わず口元を綻ばせた。
この島に帰ってきてまず第一にいつも迎えに来てくれるのはいつだって、彼だ。
彼は知らないだろうがからすればそれがいつもとても嬉しい。荷物を部下たちに降ろさせながら、彼女はゆっくり船を降りる。

「お帰り!今回は戻り早かったんだな」

にこにこと出迎えたリベルタの頭をわしゃわしゃと片手で撫ぜ、彼の要望通りの風貌が少し変わった面を土産と差し出すと嬉しそうに彼はまたはにかんで礼を言う。
……諜報部の元気玉、鉄砲玉とはよく言ったもので、彼の表情は自然と人々を明るくさせる。

「リベルタ、私はダンテに報告があるから戻るけど、リベルタはどうする?」
「あ、俺も行く!」

信頼されているのがよく分かる、リベルタの行動はを自然と安堵させる。
女がほぼ壊滅的に等しい形で皆無のアルカナファミリアにとって、の存在は稀有であり、彼女が望もうと望まざるとして、浮いてしまう。彼女とファミリーの男たちを「仲間」として結びつけるのにリベルタは潤滑剤として存在してくれている。
……もちろん、彼がいなくても、多少なりともはやっていく自信はあるが、彼は彼女を慮る性格だ。悪くない、むしろ、その優しい性格に彼女は幾度と無く疲れた心を癒されたものだ。


だって、ファミリーだしな!」
「……そうだね、折角帰ってきたんだし、ルカのリモーネパイでも食べたいところだけど」

皆は相変わらず?
幹部たちの顔を思い浮かべながら聞いてきた彼女に、なんも変わってないさ、とリベルタは笑った。
そうやって、一見すれば何も変わらない、けれど静かに変わっていくアルカナファミリアの空気に、もまた、身を投じる。

けれど。
そこには、弟分たるリベルタがいる。悪友と呼べる友人たちがいる。ファミリーという名は、伊達ではないということだ。

「お嬢さ、に会いたがってたんだぜ」
「ああ、じゃあ挨拶に後で行かないとね」

微笑んだアルエットに、リベルタもまた、大きく頷いてみせた。
少し笑うだけで、心が同じようにほんの少しだけ揺れる。

さぁ、アルカナ・ファミリアでの日常を始めよう。


発売まで後7日